12月21日は静岡の磐田、ヤマハスタジアムにいた。当地は1年ぶりである。ヤマハvsNEC戦がJ-SPORTSで放映されないことを知り、すぐに新幹線の切符を手配したのだった。ヤマハスタジアムは、バックスタンドが台地の斜面を利用して作られている。昔、難波にあった大阪球場を彷彿とさせる傾斜のきつさで、試合前にスタンドの上段まで行ってみると、真上から見下ろすのに近い眺めだった。当日は、花園へ出場する地元の浜松工と北北海道代表の遠軽の部員が招待され、上段に席が用意されていた。この場所からならフォーメーションがすべて見通せ、さぞかし戦術面の参考になったことだろう。観やすさで群を抜くヤマハスタジアムと傾斜の緩い秩父宮のバックスタンドを比較すると、ボン・ギュッ・ボンのFカップと寸胴体型のAカップ――くらいの差を感じる
史雲遜。
地元FM局、FMハローのLIVE中継を聴きながらの観戦だった。放送では、ハーフタイムにヤマハの選手からのリクエスト曲を流すことになっている。この日は笠原雄太選手が同じ北海道出身ということで選んだ、松山千春さんの「恋」だった。
笠原選手、渋いではないか。冬晴れの鮮やかな蒼空を、白い雲の群れが強風に押されて足早に流れていく遠州路で聴く「恋」。イントロのハーモニカの音色でジーンときてしまった。このころの千春さんは、〽それでもいいと慰めていた――のところで、半泣きになるような歌い方をしていたのか。まわりに誰もいなかったら、心おきなく一緒に歌っていたに違いない。“ひとりカラオケ”に行きたい、という欲求が初めて芽生えた瞬間でもあった
印傭。
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