何か変です? 今の高校日本史教科書採択で起こっていること…
テレビも見たいものはないし、新聞も後始末が大変なので、電子版だけとっているだけである。放送大学と食事のとき
TBSニュースバードを視るだけ。世の中の出来事に疎くなっていた。
偶々、ネットでニュースを見ていて朝日の「神奈川県教育委員会が教科書選定に介入し、実教出版の日本史教科書を希望
storage unitした県立高校に再考を促したことを受け、該当の全28校が他社の教科書に変更した。6日、具志堅幸司・県教育委員長が
明らかにした」という記事に、「…?」という感じで、関係の記事を漁ってみて驚いた。
毎日新聞の‘13年06月27日東京夕刊で、「都教委が問題視しているのは、実教出版の“日本史A”、来年度向けに改訂さ
れた“日本史B”。国旗国歌について『一部の自治体で公務員への強制の動きがある』と記載している。…中略… 実教出
版の日本史Aには11年度の検定で『政府は国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにし
た。しかし現実はそうなっていない』との記述に文部科学省の意見がつき、後半を「公務員への強制の動き」などと書き換
えて合格。文科省によると、日本史Aの全国シェアは約14%という。
だが、都教委は昨年3月以降、各校に電話で「都教委の考えと合わない」と伝え、13年度の教科書に選定しないよう要
craft storage求。採択の最終判断は都教委ができることもあり、この教科書を選定した高校はなかった。」というものだった。
教科書の記載部分らしい所に筆者が下線を引いたものだが、その部分は私も誰もが「事実だ!」と認知していることで、
嘘を書いた訳ではない。都教委が「都教委の考えと合わない」と言ったそうだが、学校が文科省や教委の「考え」に合った
教育しかしないほうがずっと恐ろしいとは思わないのだろうか? 学校の先生は、常に生徒たち一人ひとりのことを考え、
更に教師としての自分の考えを持ち、生徒たちに責任をもって表明し、教育活動をすべきだと思っている。そうでなければ
、生徒たちは先生を信用しないだろう。
リジー・コリンガムの「戦争と飢餓」を読み始めた。前に「憎悪の世紀」を読んだが、両書ともかなり共通するところが
ある。食糧問題が戦争を引き起こし、戦争が飢餓と餓死者を生み、更に憎悪を生み、更に戦争を泥沼化していく「負のサイ
クル」であることは誰にでもわかる話だ。それを学校では教えてくれない。「戦争と飢餓」の中で、「窮乏状態に耐えるで
能力の高さは、多くの場合、国民の政府に対する期待の低さを反映する。究極の事例が、日本軍の指揮官たち。彼らは、戦
闘において、日本の兵士に必要なものは『武士道』(戦いの精神)だけだと信じていた。結果として、前線部隊への食糧供給
に無頓着になり、多くの日本人兵士が野草を食べて戦わざるをえなかった。この無頓着さと、しかるべく守れなかったこと
が、174万人の日本軍戦死者のうち60%が戦闘ではなく飢餓で死亡した大きな要因なのだ」と。長い引用になったが、餓死は
、食糧不足で大量に生ずることはない。人間の作為がその要因である。戦争がその典型である。日本兵は「無頓着」だけで
餓死したわけではないだろうが、日本が引き起こした戦争でアジア諸国の人々の犠牲者を出したことは事実であり、戦後、
その始末の付け方を間違ったことも事実である。
100万人以上の兵士が餓死して靖国神社に英霊として祀られたことを知った外国人は日本人の武士道というものに共感が
持てるだろうか。「憎悪の世紀」にしても「戦争と飢餓」も共に若手の研究者である。そうした新しい視点で日本を、日本
人を見たとき、分かりにくさより危ない国に見られる危険性がある。既に安倍首相は「ナショナリスト」としてその言動が
報道され、米国の議会調査局での日米関係の報告書で、安倍首相の靖国参拝が中韓を刺激し、アジア不安定化の要因になる
恐れがあると観ているようだ。今までにない、米国の反応である。
ヨーロッパが世界でどれ程の人々を死に追いやったか、インドでの餓死、アフリカの紛争も中東問題も更にバルカン問題
もすべてヨーロッパ諸国の植民地政策と外交的利己主義に遠因があると思っている。しかし、欧米は反省も早い、合理的に
処理し、手を打つのも迅速である。民間人も世界中に出かけていく。身勝手であるが民間団体のボランティアも盛んだ。ど
れをとっても日本は「鈍い」。
靖国参拝など、欧米人には分かりにくい。しかし、従軍慰安婦問題、南京虐殺というフレーズが絡むと日本にとって圧倒
的に不利である。日本人で戦中に生まれた私でも、父が餓死戦死していたら、戦争犯罪人と一緒に祀られたくないと思うだ
ろう。インパールや、アジア諸国のいたるところの密林で戦死した、餓死した魂が草葉の陰で見守っていると思う。
htc phone covers